THREE RIVERS # 陶磁器-伊万里焼・有田焼

THREE RIVERS

佐賀県

伝統的な有田焼の製造を守りつつ、特許を取得した技術でコーヒーフィルター「セラフィルター」を製造しているTHREERIVERS株式会社。

目次

工芸レポート

有田焼の技術で、コーヒー界に革新を

佐賀県有田町で、江戸時代から400年以上の歴史をもつ有田焼。その伝統的な技術を取り入れ、「日本の技術で、コーヒーの世界にもイノベーションが起こせないか」と試行錯誤を重ねて生まれたのが、THREE RIVERS株式会社が手がける有田焼のコーヒーフィルター「セラフィルター 39arita」です。

工房は、日本で初めて磁器が焼かれた地とされる有田町にあります。通りには登り窯を築くために用いた耐火レンガ(トンバイ)の廃材や陶片などを赤土で塗り固めて作った「トンバイ塀」が今も多く残り、風情ある町並みが人気のある観光地となっています。

「トンバイ塀」がある街並み

「焼き物は大きく陶器と磁器に分けられます。有田焼は磁器土を使い、1300度の高温で焼成される磁器で、陶器に比べると軽くて丈夫なのです」と話すのは、「セラフィルター39arita」を製作する原口さん。

そんな歴史の深い有田焼の町で開発された「セラフィルター39arita」は、日本で唯一特許を取得しているセラフィルターです。
従来のセラフィルターは目詰まりがしやすかったため目詰まりしにくく、コーヒーの旨味となる油分を通す微妙な穴のサイズのフィルターづくりを社長・三河傑さんが決意。混ぜ合わせる土の調合や水の量の調整などの試行錯誤を重ね、約1年かけて目詰まりしない理想の目の細かさに辿り着きました。

ミクロの穴が雑味をブロック。まろやかな味わいに。

有田焼でつくられた「セラフィルター39arita」は、従来の紙フィルターと違い、繰り返し使えるためエコで環境に優しいアイテムです。その上、目では見えないミクロの穴が「雑味」をブロックしつつ、紙フィルターでは通せないコーヒー豆の「油分」を抽出。これによって豆本来の旨味を最大限に引き出し、丸みのあるプレミアムな味わいを楽しむことができます。コーヒーだけでなく、お茶や紅茶、お酒を濾過すればよりまろやかな味わいに。また、水を通せば浄水器代わりとしても使うことができます。

日々、さまざまなアイデアが浮かんでくるという三河さん。今も有田焼を使った新しい商品の開発を続けています。

取材:新 拓也 撮影:森下 大喜 文:大西 健斗

工房情報

  • 代表者

    三河 傑

  • 創業年

    2018年

  • 従業員

    20人

  • 所在地

    〒844-0014 佐賀県西松浦郡有田町戸矢786-1